整体院・整骨院にSEO対策が欠かせない理由
整体院・整骨院の集客は、今や「紹介とチラシ」だけでは成り立ちにくくなっています。スマホで「駅名+整体」「症状名+整骨院」と検索して比較してから予約する人が増えているため、検索結果で見つからない院は、そもそも候補にすら入りません。
一方で、SEO対策は「難しそう」「専門用語が多くてよく分からない」と感じて手つかずになっている院も少なくありません。本記事では、競合2社の記事で語られていたポイントを踏まえつつ、整体院・整骨院が今から実践できるSEO対策を、できるだけわかりやすく整理します。
SEO対策は「コストを抑えた集客基盤」になる
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで自院のサイトを上位に表示させる取り組みです。広告のようにクリックごとに費用が発生するわけではなく、一度整えたページは長期的に患者さんを連れてきてくれます。
もちろん、完全に無料ではなく「時間」と「制作コスト」はかかりますが、チラシや紙媒体のように配布の度に費用がかかるものと比べると、中長期で見た費用対効果は非常に高くなりやすい施策です。
成果が出るまで時間がかかるからこそ、早く始めるべき
SEOは、対策を始めてすぐ結果が出るものではありません。新しく公開したページが検索エンジンに評価されるまでには、数ヶ月〜1年程度かかることもあります。そのため「患者さんが減ってから慌てて着手する」のでは遅く、むしろ施術が順調なタイミングから少しずつ仕込んでおくことが重要です。
整体院・整骨院SEOの全体像
まずは、整体院・整骨院が押さえるべきSEO対策の全体像を整理します。
- どんなキーワードで見つかりたいか決める(キーワード戦略)
- そのキーワードを受け止めるページを用意する(サイト構成)
- ページの中身を「患者目線」で充実させる(コンテンツ作成)
- Googleビジネスプロフィールで地図検索を強化する(MEO対策)
- 口コミ・外部サイト・SNSで評価を積み上げる(外部対策・E-E-A-T)
- 検索データを見ながら定期的に改善する(分析とチューニング)
やることが多く見えますが、一つひとつのステップは決して難解ではありません。順番を間違えず、できるところから進めることがポイントです。
整体院・整骨院が狙うべきキーワードの考え方
SEOは「どんな言葉で検索されたときに、自院のサイトを出したいのか」を決めるところから始まります。ここが曖昧なままだと、書くべきページも決まらず、何となく記事を書いて終わってしまいます。
地域名 × 整体院・整骨院
最優先で狙いたいのが、地域名と整体院・整骨院を組み合わせたキーワードです。
- 〇〇市 整体院
- 〇〇駅 整骨院
- 整体 〇〇区
こういったキーワードで検索している人は、今まさに近くの院を探している可能性が高く、来院につながりやすい層です。このエリア系キーワードに対して、公式サイトとGoogleマップ(MEO)の両方で露出を増やしていくのが基本戦略になります。
症状名 × 整体・整骨院
次に重要なのが、症状名を組み合わせたキーワードです。
- 腰痛 整体
- 肩こり 整骨院
- 頭痛 整体 〇〇市
- 膝 痛み 整骨院
こうしたキーワードで検索している人は、症状の名前が分かっており、「自分の悩みに合う院かどうか」を知りたがっています。症状ページで「なぜその痛みが出ているのか」「なぜ整体・整骨でアプローチできるのか」「施術の流れ」「どんな変化を目指すのか」を丁寧に伝えることで、予約につながりやすくなります。
施術メニュー・ターゲット別キーワード
最近は、施術名やターゲットを指定して検索するユーザーも増えています。
- 産後骨盤矯正 〇〇市
- 猫背矯正 〇〇駅
- スポーツ整体 高校生
- 自律神経 整体 〇〇区
自院の強みとなるメニューが決まっている場合は、「地域名+施術名」のページを個別に用意しておくことで、専門性を打ち出すことができます。
初めての人が不安に感じるテーマ
初めて整体院・整骨院に行く方は、症状や料金だけでなく「行ってみて大丈夫かどうか」を心配しています。例えば、次のような疑問があります。
- 整体 保険 利く?
- 整骨院 服装 初めて
- 整体 どれくらい通う 必要
- 整体院 接骨院 違い
こうした疑問に答える記事やQ&Aページを用意しておくことで、不安を和らげ、来院へのハードルを下げることができます。
キーワード戦略の基本:強い言葉と拾う言葉を分ける
競合の多いエリアでは、「地域名+整体院」「地域名+整骨院」のようなメインキーワードは上位を狙うのが難しいケースも少なくありません。そこで、検索ボリュームがそこまで大きくない、より具体的なキーワードから狙っていく戦略が有効です。
具体的なロングテールキーワードのイメージ
例えば、次のようなキーワードは、検索回数こそ多くないものの、来院意欲が高くなる傾向があります。
- 〇〇市 腰痛 整体 夜 20時まで
- 〇〇駅 産後骨盤矯正 子連れ可
- 猫背 整体 〇〇区 姿勢改善
- 膝 走ると痛い 整骨院 〇〇
こうしたキーワードを意識して、ページのタイトル・見出し・本文に自然な形で盛り込んでいくことで、「自分にぴったりだ」と感じてもらいやすくなります。
整体院・整骨院サイトの理想的なページ構成
キーワードの方向性が決まったら、それらを受け止めるページ構成を考えていきます。ここでは、個人院〜複数店舗まで共通して使える基本構成を示します。
必須ページ
- トップページ
- 院長・スタッフ紹介
- コンセプト・大切にしている考え方
- 症状別ページ(腰痛、肩こり、頭痛、膝、しびれ、産後など)
- 施術メニュー・料金ページ
- アクセス・地図・駐車場情報
- 予約方法・お問い合わせ
- お客様の声・症例紹介
- ブログ・コラム(不安解消・健康情報など)
トップページで必ず伝えたいこと
トップページでは、「誰のどんな悩みに強い院なのか」を一目で伝えることが重要です。
- キャッチコピー(例:〇〇市で腰痛・肩こりにお悩みの方へ)
- 地域・最寄り駅・営業時間などの基本情報
- 主な症状・メニューへの導線ブロック
- 院長メッセージや特徴の要約
- 予約ボタン・電話・LINEなどの導線
ここで「自分に関係ありそうだ」と感じてもらえなければ、症状ページまで読まれずに離脱されてしまいます。
症状別ページの構成イメージ
症状別ページは、SEOの観点でも来院の観点でも最重要ページです。構成の一例は次の通りです。
- その症状で困っている人の悩みの描写
- 症状の一般的な原因や考えられる要因
- 整体・整骨での考え方(なぜアプローチできるのか)
- 検査の流れ・施術の進め方
- 通院の目安や、変化を感じ始めるまでのイメージ
- セルフケアのポイント
- 同じ症状で来院された方の声・ビフォーアフター
- 最後に予約・問い合わせへの導線
ここでのポイントは、「専門用語だけで説明しない」ことです。一般の方が日常生活で感じている言葉(立ち上がるときの痛み、朝起きたときのこわばりなど)を使いながら解説すると、共感を得られやすくなります。
院長プロフィール・信頼性の部分
整体院・整骨院では、技術と同じくらい「誰がやってくれるのか」が重視されます。院長プロフィールには以下のような情報を載せておくとよいでしょう。
- 顔写真(院内の雰囲気が伝わるもの)
- 簡単な経歴(学んできたこと・これまでの経験)
- どんな思いでこの院を開いたのか
- 得意としている症状・サポートしてきた患者さんの傾向
これはSEOでいう「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」のうち、特に経験と信頼性を伝える部分にもなります。
コンテンツの作り方:1キーワード1ページが基本
検索エンジンにとって分かりやすいページ構成にするには、「1ページにつき1つのテーマ」が基本です。複数のテーマを1ページに詰め込みすぎると、どのキーワードに対しても中途半端な評価になってしまいます。
キーワードとページの対応関係を決める
例えば次のように、キーワードとページを対応づけていきます。
- 「〇〇市 整体院」→ トップページ
- 「〇〇駅 整体 腰痛」→ 腰痛ページ
- 「産後骨盤矯正 〇〇市」→ 産後骨盤矯正ページ
- 「整体 初めて 服装」→ ブログ記事(Q&A系コンテンツ)
同じような内容を別ページでも繰り返し書いてしまうと、サイト内で評価が分散し、かえって順位が上がりにくくなります。類似テーマは一つのページにまとめる意識が大切です。
検索ニーズを満たす構成を考える
ページの構成を考えるときは、必ず「そのキーワードで検索した人が、何を知りたがっているか」を想像します。具体的には、次のような問いを自分に投げかけてみると整理しやすくなります。
- この症状で一番困っている場面は?
- 何が不安で、どこに行こうか迷っているのか?
- 整体院・整骨院を選ぶときに、どんな基準で比較しているか?
- 「この院なら任せてもいい」と感じる決め手は何か?
こうした質問に答える形で見出しと本文を作っていくと、自然と読者ニーズに沿ったコンテンツになりやすくなります。
タイトル・見出し・本文へのキーワードの入れ方
SEOの観点では、タイトルと見出しへのキーワードの入れ方も重要です。ただし、機械的に詰め込みすぎると不自然になってしまうため、あくまで自然な日本語を優先します。
- タイトル:地域名+症状+整体(整骨院)をできるだけ入れる
- メイン見出し:症状名や地域名を盛り込みつつ、悩みが伝わる表現にする
- 本文:キーワードを言い換えながら、会話に近い文章で説明する
例えば、「〇〇市で腰痛にお悩みの方へ|〇〇整体院の腰痛専門ページ」といった形で、読者にとっても検索エンジンにとっても分かりやすいタイトルを意識します。
GoogleビジネスプロフィールとMEO対策
整体院・整骨院の集客では、ホームページだけでなくGoogleマップにおける表示(MEO)も非常に重要です。「地域名+整体」「地域名+整骨院」で検索したときに、マップ枠で上位に出てくることで、来院のきっかけを増やせます。
まずは基本情報を正しく・丁寧に埋める
Googleビジネスプロフィールでは、以下の情報を正確に登録します。
- 正式名称(看板と一致させる)
- 住所・電話番号・ウェブサイトURL
- 営業時間・定休日
- カテゴリー(整体院、接骨院・整骨院など)
- 院内・外観・スタッフの写真
- サービス内容の説明文(地域名+整体・整骨を自然に盛り込む)
説明文では、キーワードを不自然に連呼するのではなく、「〇〇市で腰痛・肩こり・産後の骨盤の悩みをサポートしている整体院です」といった自然な文章を心がけます。
口コミの依頼と返信を習慣化する
口コミは、SEOだけでなく来院率にも大きな影響を与えます。
- 施術後、状態が安定してきたタイミングで、口コミ投稿の依頼をする
- 投稿してくれた方に、必ず個別にお礼の返信を書く
- ネガティブな内容にも、落ち着いて誠実に対応する
口コミの数と内容は、検索ユーザーが「この院は信頼できるか」を判断する大きな材料になります。日々の施術の中で、無理のない範囲で依頼していくのが現実的です。
E-E-A-Tを意識した整体院・整骨院サイト作り
検索エンジンは、「誰がどんな経験をもとに書いているか」「その情報は信頼できるか」を重視する傾向が強くなっています。これを表した考え方がE-E-A-Tです。
経験(Experience)を伝える
整体院・整骨院では、実際に現場で患者さんを診てきた経験が大きな強みです。
- どのような年代・職業の方が多いか
- どんな症状や悩みを相談されることが多いか
- どのような変化を目指しているか(痛みの軽減だけでなく、日常生活の質の向上など)
こうした経験を、症例紹介やお客様の声、ブログ記事などでさりげなく伝えることで、サイト全体の信頼感が高まります。
専門性(Expertise)を分かりやすく示す
専門性を高めるためには、「何でも屋」のような情報発信ではなく、得意分野を深く掘ることが重要です。
- 特に力を入れている症状(例:腰痛、産後、スポーツ障害、自律神経など)
- その分野に関するページ数や情報量
- 専門的な内容を、一般の方向けにかみ砕いた解説
専門用語を多用するのではなく、「なぜこういう施術をするのか」「どんなリスクや注意点があるのか」を丁寧に説明することで、読み手に安心してもらえます。
信頼性(Trustworthiness)を高める要素
信頼性を高めるためには、以下のような基本的な情報整備も欠かせません。
- 運営者情報(屋号・住所・連絡先)の明記
- 料金や施術時間のわかりやすい表示
- キャンセルポリシーや注意事項の案内
- 最新の情報に更新されているか(古いキャンペーンの放置などを避ける)
小さな積み重ねですが、こうした部分が整っているサイトは、検索エンジンからもユーザーからも信頼されやすくなります。
SNS・他媒体との連携で「指名検索」を増やす
SEO対策というと「検索結果の順位」ばかりに目が行きがちですが、院名での指名検索(例:〇〇整体院)を増やしていくことも非常に重要です。そのためには、ホームページ以外の接点も活用していきます。
SNSでの情報発信
InstagramやX、LINE公式アカウントなどで、次のような内容を発信していくとよいでしょう。
- 日常のひとコマ(院内の雰囲気が伝わる写真)
- 簡単にできるセルフケアやストレッチ
- 季節に応じた体調管理のポイント
- 臨時休業や予約状況のお知らせ
これらの投稿から院名を知り、あらためて検索してホームページに来るという流れが増えると、「指名検索」が増え、SEO的にもプラスに働きます。
紙媒体・紹介との連携
チラシや名刺、紹介カードなどにも、必ず院名とサイトURL、もしくは検索キーワード(例:「〇〇市 整体 〇〇院で検索」)を入れておきます。オフラインの接点をオンラインの検索につなげることで、集客経路が太くなります。
よくある失敗パターンと回避のポイント
整体院・整骨院がSEOを進める際、つまずきがちなポイントも整理しておきます。
専門用語と抽象的な表現だけで終わってしまう
専門性を出そうとして、難しい言葉や抽象的な言い回しが増えすぎると、一般の方には伝わりません。「患者さんが普段使っている言葉」に翻訳しながら書くことを意識しましょう。
院のことではなくSEOだけを語ってしまう
SEOの方法論の説明だけが長くなり、「この院が何を大事にしているのか」が分からないサイトになってしまうケースもあります。SEOの話は最低限にとどめ、あくまで患者さんの悩みと、自院だからできることに紙幅を割くことが大切です。
短期間で結果を求めすぎる
数週間〜1ヶ月で「結果が出ない」と判断してしまい、ページの削除や無理な書き換えを繰り返すのも避けたいところです。整体院・整骨院のSEOは、半年〜1年のスパンで育てるイメージを持っておきましょう。
今日からできるチェックと改善の優先順位
最後に、整体院・整骨院が今日から確認できるチェックポイントと、改善の優先順位をまとめます。
基本チェックリスト
- 地域名+整体(整骨院)で検索したとき、自院がどの位置にいるか把握している
- トップページで「地域・対象・得意な症状」が一目で分かる
- 腰痛・肩こりなど主要な症状に専用ページが用意されている
- 料金・施術時間・アクセスが探さなくても見つかる
- Googleビジネスプロフィールが最新の情報になっている
- 口コミの依頼と返信が習慣化されている
- 月に一度は検索順位やアクセスの変化を確認している
改善の優先順位
すべてを一度にやろうとすると、途中で止まってしまいます。次の順で、できるところから進めていくと現実的です。
- トップページとGoogleビジネスプロフィールの整備
- 腰痛・肩こり・頭痛など主力症状のページの充実
- 来院までの導線(予約ボタン・電話・LINE)の見直し
- 初めての方向けQ&A記事の作成
- ブログ・コラムでの継続的な情報発信
まとめ:整体院・整骨院のSEOは「患者目線」を積み上げる作業
整体院・整骨院のSEO対策は、特別なテクニックではなく、「地域の患者さんが知りたい情報を、分かりやすく、丁寧に発信し続ける」ことの積み重ねです。地域名や症状名で検索されたときに、自院が選択肢に入るようにサイトを整え、実際の施術と口コミで信頼を積み上げていけば、広告に頼りきらない安定した集客基盤をつくることができます。
まずは自院のサイトを一度見直し、「自分が患者だったら、このサイトを見て安心して予約できるか?」という視点でチェックしてみてください。その気づきをもとに、一つひとつページを改善していくことが、何より確実なSEO対策になります。
コメント